Chat-GPTが公開されたのが2022年11月ですが、それからまだ1年経過していないにも関わらず、生成AIの普及が急速に進んでいます。Chat-GPTでは新たな機能がいくつも追加されており、今回は、その中からいくつかの機能を紹介します。
※本コンテンツで使用している画像は一部『STABLE DIFFUSION XL』により生成しています。
1. 目や耳の実装
OpenAIが2023年9月25日に公開した情報によれば、その後、2週間以内にChat-GPT(GPT4)に目や耳が実装されます。音声認識や画像認識を行うことで、より人間らしい会話が可能になります。
活用例を挙げると、冷蔵庫の中の写真を撮影して、Chat-GPTに送信すると、冷蔵庫の中の食材を元に、献立を提案してくれるようになります。また、スマートフォンのマイクを使ってChat-GPTに質問することができ(このとき音声がテキストに変換されます)、別の作業をしながらでも、Chat-GPTと会話することができるようになります。
建築業においては、現場の写真や自社が建築した建物をChat-GPTに見てもらい、客観的な感想をもらう、何か気になる点を教えてもらう、よりよいものを作るためのアドバイスをもらう、などの活用が考えられます。こうした方法を用いることで、Webマーケティングにおけるコンテンツ品質の向上、営業のトークスクリプトの改善、商品開発の改善が可能になります。
当社でも、Instagramに投稿するときのコメントを考える場合に、Chat-GPTやBingChatを使って客観的な感想をもらうことで効率的な投稿ができるようになりました。
2. 画像の生成
従来、画像の生成をAIに任せる場合には、別のサービスを利用するしかありませんでした。しかし、Chat-GPT(GPT4)では、画像の生成も可能になります。これにより、画像の生成にかかる時間が大幅に短縮され、より効率的な業務が可能になります。
実装されたモデル『DALL-E3』は画像内の人間の手や顔などの表現精度が向上し、画像の全体的な品質とdetailが向上しています。
建築業においては、活用が難しい機能かもしれません。自社が建築する建築物を理想通りに画像生成してもらうことまでは難しいでしょう。しかし、庭を画像生成してもらい、その庭に合う家を設計する、Webマーケティングのコンテンツに合う写真を生成してもらう、という活用が考えられます。
注意点は、日本における著作権法においては、生成した画像が著作権違反に該当する場合があるため、利用には注意が必要です。とくに日本では、著作権法を知らないふりをして、他者の著作物を利用するという事例が横行していたため、著作物に対する対応が厳しくなってきています。個人では問題視されなくても、企業がやると責任を厳しく追及されることが当たり前になっています。
著作権フリーとされるサービスを利用する場合でも、個人で利用する場合では問題がなくても、企業で利用する場合では利用規約違反になる場合があります。そのため、利用規約をよく読み、利用規約に違反しないように利用する必要があります。
3. ブラウザ検索
Chat-GPT(GPT4)では、ブラウザ検索が可能になります。従来のChat-GPTでは2021年9月までの情報しか参照できませんでしたが、Bing経由で最新情報を参照した上で回答してもらうことが可能になります。
実は、想定外の事例として、『SEO対策』が挙げられます。Chat-GPT(GPT4)がブラウザ検索を行うことで、Googleに対して最適化されたSEO対策が無効になる可能性があります。そのため、Chat-GPT(GPT4)の回答結果に表示されるように、AI最適化対策を行う必要があります。この場合、検索アルゴリズムがGoogleではなく、Bingであることに注意が必要です。
4. ファイル分析
Chat-GPT(GPT4)では、ファイルをアップロードすることができます。CSVファイルやExcelファイルをアップロードして、データを分析してもらうことが可能になっています。Wordファイルを添付して、書いてある文章を翻訳してもらうことや文章をレビューしてもらうことも可能です。
これにより、誰でも容易にデータ分析を行うことができ、データ分析のスキルがなくても、データ分析を行うことが可能になります。また、データ分析のスキルがある人でも、データ分析にかかる時間が大幅に短縮されます。
文章を書くことが苦手な人でも容易に品質が高い文章を短時間で書くことができ、外国語に抵抗感がある人でも、容易に自分が知らない言語で文章を書くことができます。
5. 拡張機能
Chat-GPT(GPT4)では、プラグイン(拡張機能)を追加することが可能です。プラグインを追加することで、様々な機能を追加できます。
食べログのプラグインを追加して、「いまから4人で行ける空いてる池袋の中華料理屋を教えて」という質問をして、検索をする手間をかけずにおすすめの中華料理屋を探すことができます。SEOのプラグインを追加することで、SEO対策が施された記事を容易に作ることも可能になります。
他には、Amazonのおすすめ商品を教えてくれるプラグインやPDFファイルを読み込むことができるプラグインなどがあります。
API(開発者向け機能)を使うことで、BIM(Revit)の操作をしたり、自社システムに組み込んだり、自社のサービスを作ることも可能です。
開発者の中では、Chat-GPTを超えるChat-GPTとして、「Open Interpreter」というものが流行っています。これは、Chat-GPTをローカルPCで稼働させることで、様々なプログラム言語を利用して、様々なシステムにアクセスすることができるようになるというもので、Chat-GPTのAPIを利用することで実現しています。
6. まとめ
Chat-GPT(GPT4)の最新機能では、出来ることが多くなっており、生産性を向上することができることをご理解いただけたと思います。建築DXにおいても、一部の業務については活用することができます。また、Chat-GPT(GPT4)のAPIを利用することで、自社のシステムに組み込むことも可能です。
Bingでは、Chat-GPT(GPT4)のAPIを利用して、Chat-GPT(GPT4)に近いことが無料で出来るようになっております。Windows11の最新バージョンでは、WindowsCopilotというChat-GPT(GPT4)に近い機能が搭載されており、Windows上でネイティブに稼働するため、直観的な質問でWindowsの操作に関することを聞くことができます。Microsoft365でも2023年11月からCopilotが利用可能になる予定です。
このように急速に普及する生成AIを活用しないと、他社に差をつけられてしまう可能性があります。開発者向けの生成AIであるGithub Copilotでは、作業時間が50%以上短縮されたというファクトが示されており、Microsoft 356 CopilotやBingChatの活用は、同程度の効果が生まれる可能性を示唆しています。
新しい技術は、いままでとは違う感性・価値観で作られているため、まずは使ってみることが大切です。使ってみて、使い方を考えることで、新しい価値を生み出すことができます。よくあることが、机上で考えて、検討した結果使わないということです。机上で考えても、実際に使ってみないと、使い方がわからないことが多いです。
また、少し触って分かった気持ちになってしまい、大したことがないと思い込んだ結果、導入しないということも大きなリスクになります。机上で検討することも、少し触る程度のことも、いままでの知識・感性・価値観を使って理解をしようとしているに過ぎないため、新たな感性・価値観を身につけることができません。新たな感性・価値観を身につけるためには、実際に時間をかけて使ってみることが必要です。
本当に価値が高いものに限って、価値を理解する人たちがこぞって使うため、トライアル期間がない場合や、トライアル期間が短いことが多いです。トライアル期間を望む人や長いトライアル期間を望む人に構わなくても、利用者が増加し続けるので困らないからです。
生成AI導入に踏み切れない場合は、ぜひ、まずは少数で積極的に活用を進めることをやってみてください。活用チームを組んで、月1回で報告会を開くことも有効的です。
スカイフィールドコーポレーションについて
当社は、池袋を拠点に一都三県で投資向け集合住宅のRC造建築を中心に活動しております。
投資向け集合住宅の建築ご相談も随時承っており、建物を建てることが初めての方にも手厚くサポートしていますので、お電話や建築相談フォームにて、お気軽にご相談ください。
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