「2024年問題」で発生する人手不足問題はご存じでしょうか。
2024年4月に施行る残業上限規制により、建設業、自動車運転業務の人手不足に拍車がかかることが懸念されています。本記事は、前回に続いて2024年問題について取り上げますが、人手不足にフォーカスを当ててご説明いたします。
※本コンテンツで使用している画像は一部『STABLE DIFFUSION XL』により生成しています。
1.人手不足がどれだけ深刻なのか
「2024年残業上限規制に向けた注意ポイント」で残業上限規制についてご説明させて頂きましたが、マンパワーに頼る要素が強いほど、人手不足によるダメージが大きくなることが浮き彫りになりました。
自動車運転業務の場合、運転手の働く時間が少なくなるため、路線維持のために必要な運転手が多くなることが示唆されています。
例を挙げると、バス運転手不足により路線バスが存続の危機を迎えています。乗務員不足で一部路線を臨時ダイヤで運行したり、あるバス事業者では全路線廃止になることが決まったそうです。国土交通省によれば、バス運転手の平均年齢は53.4歳だそうで、建設業と似た状況であることが伺えます。
建設業では、作業時間を8時間以内の抑えても、作業終了後の雑務に追われて、実質10時間~12時間の労働をしていることが常態化しています。これを残業レスにするためには、作業時間を最低6時間以内に抑えなければいけません。こうなると、いままでよりも工期を伸ばさざる負えない状況になりますが、民間工事の場合は競争心理が働くため、自ら工期を伸ばすことは言い出しづらいことは想像に難くありません。
建設業でも高齢者大量離職については課題に挙がっています。厚生労働省の人口動態調査によれば、2018年の出生数が918,400人だったのに対し、2021年は811,622人、2022年は770,747人と年々減少しています。1995年の1,187,064人から大きく減少しており、労働人口減少が今後も続くことが容易に予想できます。
社会の基盤である建設業について、国としてもかなり力を入れていこうとしている印象です。例えば、CCSUのようなものはIT業界にはないのではないでしょうか(筆者が知らないだけかもしれないですが)。
なお、2017年は976,978人でしたので、5年で約20万人も出生数が減少しています。
ITに頼る必要性はどこにあるかについては、労働生産性は人件費だけではなく、人件費+ITコストで考えることによって見えてくると思います。ITを活用する意義とは、1人当たりの生産性を上げることにあります。それによって、少ない人数で多く成果を出せるようになるため、人件費よりも遥かにコストパフォーマンスが良い労働力を仕入れることが、ITを導入することであると考えて良いでしょう。
しかし、ITを活用するには必ず活用する側の人間が必要です。そのため、人件費+ITコストで労働生産性が従来よりも上がるかが重要になるわけです。少子高齢化が進んでいるからこそ、人手不足に対するためにはIT活用ありきである必要があるわけです。
例えばChat-GPTは、2023年10月現在で月額約3千円です。月約3千円で生産性が10倍と過程した場合、たったの月約3,000円で人を9人増員したときと同じ効果が出ると考えたら非常に安いと思います。IT投資は、適切なものを導入すれば少なくとも概ね1.2倍~2倍程度の生産性向上効果が生まれると考えて差し支えありません。
※あくまで自社に合う適切なものを選んだ場合であり、よくわからずに不適切なものを選んだ場合は生産性が悪化する可能性があります。
※本コンテンツは厚生労働省の人口動態調査に基づき株式会社スカイフィールドコーポレーションで作成しています。(URL:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html)
2.マンパワー不足の対策とは
従来、ITの力に頼る場合、中小企業であればPCを使う業務だけで、マンパワーにITの力を使うのは大手だけであるというイメージが強かったと思います。これからもそうである可能性はありますが、新たな技術が生まれつつあることも確かです。
Engineered Arts社のヒューマノイド「Ameca(アメカ)」であったり、墨出しロボットであったり、ブレインマシンインターフェース(BMI)によるロボットアーム操作などが例として挙げられます。自動車運転業務の場合は、自動車の自動運転技術もあり、警視庁も実現に向けた取り組みを行っています。
生成AI登場前のAIは「認識」することに特化していました。コンピューターが目や耳を獲得したということが、従来のAIによる成果です。しかし、生成AIのすごさというのは、「理解」や「考える」に近しいことをしているということにあります。しかも、一人の人間では覚えきれないほどの知識を使って答えるわけです。
次に思うのは、「ではコンピューターに手や足をは生やすことはできないだろうか?」ということです。「Ameca(アメカ)」はかなり人間に近い動きをしており、絵を描くことにも成功しています。遠い未来かもしれないですが、映画にあるようなAIロボットの誕生を予感せずにはいられません。
人が少なくなるからこそ、人にとって代わる存在が必要になってしまっている現状は非常に悲しくもあり、しかし、人類のこれからに必要な存在であることは間違いないでしょう。
3.まとめ
「2024年問題」で発生する人手不足問題は、たしかに非常に深刻な問題であるでしょう。しかし、それを打開するべく様々な技術が急ピッチで誕生しています。
年々、時代の変化速度が速くなっています。そういう話が本当か調査したことがありましたが、ITに限って言えば、実際に年々、革新的な技術が生まれる速度がはやくなっています。
昔と違い、インターネットの速度は早くなり、SNSにより情報普及も早くなりました。ニュースもTikTokで短時間で見られる時代になり、重要な情報も勝手に配信してくれます。情報取得する速度が早くなっただけではなく、専門的な知識も簡単に手に入る時代になりました。
そしてChat-GPTなどの生成AIにより、人が学習速度や物事を理解する速度も早まりました。新たなものを生み出す速度すらも早くなったのです。
このような時代において、ITの力を活用する人材と活用しない人材で、生産性に差が生まれることなど当たり前になったと言えます。人手不足に苦しむことが見えているからこそ、ITを活用する力量を磨かなければいけません。
スカイフィールドコーポレーションでは、中小企業の建設会社の中では、先進的な取り組みをしています。DX推進を率先して進めていますので、これからの活躍にご期待ください。
スカイフィールドコーポレーションについて
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