2024年の今、デジタルトランスフォーメーション(DX)は、さまざまな業界での進化を促進しています。
特に建設業界において、DXは”生産性の向上”と、”長時間労働の改善”という二つの重要な課題を解決する鍵となっています。この記事では、位置情報というキーワードに着目し、過去と最新の具体的な事例を通じて、建設業界におけるDXの進展を探ります。
NEXCO東日本の事例:技術革新による安全と効率の向上
東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)では、インフラ管理の先進事例として位置情報技術の活用に早くから着手しています。
具体的には、点検技術者にセンサーを装着し、電波の届きにくい場所でさえも高い精度の位置情報を取得し、橋梁などのインフラの点検作業を効率化しています。このプロジェクトでは、点検技術者が位置認識機能を備えた端末を使用して、橋の名前、径間、路線種別などの情報を自動で収集します。
これにより入力作業の軽減と誤入力の防止に大きく寄与しました。また、東京大学との連携により、位置情報の取得精度を一層向上させることに成功しています。1
参考記事:
1:位置情報の活用による現場点検業務の効率化(日経クロステック)
2014年に開始された、このインフラ管理の技術は、建設業界における新しいプロジェクトの設計や管理にも応用が可能だと考えられます。建設業界のDXに重要な効率と安全性を同時に向上させるヒントを与えています。
続いては最新の位置情報を利用した取り組みについてもご紹介いたします。
最新の動向:キヤノンのRFID位置情報ソリューション
最新の事例として、キヤノン株式会社の「Canon RFID 位置情報ソリューション」があります。
2024年の1月の上旬に提供が開始されました。
この技術は、RFIDタグを人や物に取り付け、その位置情報をRFIDリーダーが自動的に読み取り、マッピングするものです。
このシステムの特徴として、複数のタグ情報を一気に読み取ることができるため、意図的な読み取り作業を大幅に減らすことができます。
※RFIDとは、電波を利用してICタグの情報を非接触で読み書きする自動認識技術のことです。
複数のタグを遠隔から一括で読み取り、個々の物体を瞬時に識別することが可能です。
身近な例を挙げると、ユニクロの商品タグなどにも利用されています。
この技術の応用範囲は広く、建設現場での活用も期待されています。
大型の建設現場では、作業員や資材の位置をリアルタイムで追跡することで、効率的な業務計画の立案や安全管理の強化に繋がります。また、資材倉庫での利用においては、規模に関わらず資材の管理が効率化されるため、大きなメリットがあると考えられます。
建設業界の課題と解決策:効率化と長時間労働の改善
次に建設業界の課題と併せて考えてみます。
建設業界は伝統的に長時間労働に依存する構造を持っており、これは業界全体の課題です。
今回ご紹介したような位置情報ソリューションの有効活用は、現場の生産性及び作業効率を大幅に向上させ、長時間労働の改善が期待されます。
例えば、現場の作業員の動きをデータ化することは、作業時間の測定、工期予測、労働生産性の分析が可能になるのでPDCAサイクルを効果的に回すための材料としても機能します。
また、作業をデータ化するということは、現場と管理側の間で共通の理解を生むきっかけにもなります。
よって、現場と経営層との間で意思の疎通が深まり、誤解からくる不必要な対立を回避し、時間の浪費を減らすことができるのではないでしょうか。
さらに、普段は目立たないけれども、実は多くの時間を費やしている作業が明らかになり、これを改善することで、よりスムーズで効率的な業務運営が期待されます。
まとめ
今回は、位置情報を活用した現場ソリューションの事例を紹介し、建設業界におけるDXの推進について考察しました。
過去の事例から学び、最新の技術を取り入れることで、建設業界はさらなる発展を遂げることができます。
これらの技術を建設業界全体が積極的に取り入れることで、より効率的で安全な作業環境が構築されることが期待されます。
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